英語学習は、ただ単語や文法を覚えるだけではありません。英語という言語を通して、他人の考えや感情、そして自分の可能性に気づくことも大切な学びです。
本記事では、アメリカの詩人エミリー・ディキンソンの詩を題材に、英語の美しさと深さを体感できる学習法をご紹介します。
詩「We never know how high we are」の原文と翻訳
エミリー・ディキンソンはアメリカの詩人です。アマースト大学という有力者を多数生み出した名家の出身であり、10代の頃から並外れた言語能力を持っていたという記録があります。この項目では、そんなディキンソンが作り出した「We never know how high we are」という詩の原文と翻訳を紹介します。
原文(英語)
We never know how high we are
Till we are called to rise;
And then, if we are true to plan,
Our statures touch the skies—
短くも力強い、エミリー・ディキンソンの代表的な詩の一節です。
日本語訳
どれほど高くなれるか、私たちは知らない
立ち上がるように求められるまでは。
そしてそのとき、計画に忠実であれば、
私たちの背丈は、空にまで届くのです——
詩が伝えるメッセージと意味
英詞は特有のリズムやメッセージがあると、私は感じています。特に詩が伝えている呼びかけみたいなものを、受け取れるようになると、英語学習にもプラスになると思いました。この項目では、詩が伝えるメッセージと意味を、私に形にまとめましたので確認しましょう。
内なる可能性と“呼びかけ”の瞬間
この詩が伝えているのは、「人は自分でも気づいていない高みへと到達できる」というメッセージです。しかしその“高さ”は、挑戦を前にして初めて明らかになるもの。つまり、実際に「立ち上がる(rise)」ことで、自分の力を試す機会が訪れるのです。
“called to rise” は、人生の試練や責任を象徴しています。
私たちは普段、自分の限界を低く見積もりがちです。しかし、行動することで初めて本当の「高さ」に手が届くこともあるのです。これは本当に現代人にも通じるメッセージであると感じました。
“If we are true to plan” の深い意味
この一文に込められた意味はとても深く、さまざまな解釈が可能です:
- 自分の信念に忠実であること
 - 目標や理想を貫くこと
 - 逃げずに行動すること
 
エミリー・ディキンソンは、内面的な誠実さが「高み」へと導いてくれると信じていたのです。英詞の良いところは、その詩を読んで色々な解釈ができるということでしょう。私はこの詩を読んで、「自分の道から逃げずに突き進む」みたいなメッセージを感じとりました。
英語学習者が学べる表現と構造
英詩で学習する際は、まずは短いものから選ぶといいでしょう。なぜなら、長いと全てを翻訳し把握するのが難しくなるためです。ですから、最初は短い詩を選び、少しずつ長くしていくと効果的です。この項目では、英語学習が詩を使って学べる表現と構造について解説します。
短い詩に込められた上級表現
この詩には、英語ならではの詩的表現や比喩が多く含まれています。
| 表現 | 意味 | ポイント | 
| We never know how high we are | どれほど高くなれるか、私たちは知らない | how+形容詞+S+V の構文 | 
| called to rise | 立ち上がるように求められる | 受け身で表現された比喩的構文 | 
| true to plan | 計画に忠実である | “true” の比喩的な使い方(誠実な) | 
| statures touch the skies | 背丈が空に届く | 高さ=可能性の比喩、擬人法的表現 | 
これらの表現は、英語で物事を抽象的・詩的に表す力を養うのに最適です。英語初心者には、少し難しいような表現が多いのですが、自分の普段使っているテキストなどにプラスして、このような独特な表現を学習すると、英語力も豊かに伸びていくと感じました。
Dickinsonの文法スタイルに注目
エミリー・ディキンソンは、19世紀アメリカを代表する詩人ですが、彼女の詩には次のような特徴があります:
- 短くリズムのある文体
 - 文法の省略や自由な構文
 - 句読点を使わない場合もある(実際にはダッシュ「—」が多用される)
 
こうしたスタイルに慣れることで、詩的英語の感覚が自然と身についていきます。私は19世紀のアメリカやイギリスの詩が好きです。なぜなら、豊かな比喩表現がたくさんあり、詩の世界に引き込まれるからです。あなたも、この詩の文法スタイルに注目し、英語力を伸ばしてください。
詩を使ったおすすめ英語勉強法
英詩を使った学習方法はいろいろあります。恐らく多くの人は大した学習にはならないだろうと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。この項目では、私なりの英詩を使った学習方法を解説します。
シャドーイングで語感を鍛える
この詩を使ってシャドーイング練習をしてみましょう:
- 詩の朗読音声を探す(YouTubeやPodcastに多数あり)
 - 自分の声で繰り返して読む
 - 意味を意識しながらリズム・抑揚をまねする
 
詩はリズムや音の美しさを感じやすい教材なので、リスニング力と発音の両方を高めることができます。特にシャドーイングは、リスニング力を大きく伸ばせるので、私も時間を見つけて行なっています。
私の場合、今回の英詞のような英文を読み上げアプリで音声で読み上げてもらい、それらをもとにシャドーイングしています。こうすると、無理なくシャドーイングのトレーニングができるので、非常にオススメです。
自分の挑戦を英語で書いてみる
以下のようなワークもおすすめです:
- 「自分が“rise”した経験を思い出す」
 - 「どんなときに“true to plan”でいられたか?」
 - 「自分にとっての『高くなる』とは何か?」
 
これらを短い英作文(日記やエッセイ)として書くことで、語彙・文法・表現力を実践的に高められます。私も普段から英語で日記を書くようにしています。英語で日記を書くのはハードルは高いと思われがちですが、PREP法という構成を意識するとキレイなエッセイのような日記が書けるようになるでしょう。
もちろん、最初は難しいと思うので、短文から始めても構いません。そして、少しずつ文章を長くすればいいのです。オススメとしては、一文を長くするのではなく、接続詞を上手く使って短い文をいくつかつなげていく方法がいいと思っています。なぜなら、一文が長くなると、文法の難易度が上がりますし、読みにくくなるためです。
私の感想と学び
「We never know how high we are」を読んで、私は自分の進みたい道に対しての勇気をもらえたような気がします。この項目では、詩を読んだ感想と、どんな学びがあったのかについて、私になりにまとめましたので、確認しましょう。
「高くなる」の意味が変わった瞬間
この詩を読んで、「英語が話せるようになる」という目標そのものが、私にとっての「rise」だったと気づきました。誰かに求められたり、場面に立たされたりすることで、「自分にできること」が見えてくるのだと思います。
英語を話せるようになりたいと思う方は、自分なりに必死に勉強していることでしょう。私もその1人です。ただ、完全な英語を目指さなくても、コミュニケーションが取れれば、それは通じるということだと思うので、英語学習がしやすくなると思います。
英語学習にもつながる自己肯定感
エミリー・ディキンソンの詩は、静かで力強い声で「あなたにはまだ知らない高さがある」と語りかけてきます。英語を学ぶという行為そのものが、自分の新しい高さを見つける旅なのかもしれません。
英語学習は簡単ではありません。なぜなら、日本語と英語では構造そのもの自体が全く違うため、習得の難易度が違うからです。例えば、オランダ語と英語は言葉自体が近いため、習得しやすいと言われています。そのため、オランダ人はほとんどが英語を話せるのです。
しかし、日本語と英語は全く違う言語で似ていません。だからオランダ人が英語を覚える感じでは身につかないのです。それでも、毎日少しずつ学習すれば、必ず語学力は向上します。それが1週間や1ヶ月といった短いスパンではなく、1〜2年かかるため、上達が見えにくいだけなのです。私もいまだにペラペラになったわけではありませんが、最初の頃に比べると、格段に上達したと思っています。
Q&Aセクション
Q:詩を読むことでスピーキングも伸びますか?
A:はい、特に音読やシャドーイングに活用することで、発音・抑揚・イントネーションの練習になります。また、感情を込めて読むことで、スピーキングに表現力がつきます。
Q:難しい詩は初心者には無理ですか?
A:短い詩であれば初心者でも十分楽しめます。わからない単語があっても、全体の雰囲気や繰り返し表現から意味を推測することで、読解力も鍛えられます。
【まとめ】あなたの“高さ”はまだ知らない場所にある
英語の詩は、ただ言葉を学ぶだけでなく、自分自身を見つめ直すきっかけを与えてくれます。Emily Dickinson の言葉に触れることで、あなたも「まだ知らない自分の高さ」に出会えるかもしれません。
英語を学ぶことは、可能性を広げること。
そして、立ち上がるたびに、私たちの“stature”はきっと空に近づいているのです。
私は「We never know how high we are」という詩を読んでこのように感じました。英語学習を日々頑張っておられる方は、たまには英詞の世界に触れて、違った面から英語を学ぶと、より豊かな英語力が手に入ると思います。
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